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「悪女について」と、「新しい公共」②
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本 ナインティーンズ ぼくたちの近代史
の続きです。
1 生存欲求と種族保存の欲求
ここからは、橋本さんから離れて、管理人の考えとなります。
後家の時代の 「後家」とはなんなのか?です。
生き物の根本的なところで、
生存欲求
種族保存の欲求
があるというのは、誰もが認めることだとおもいます。
原始的な共同体に当てはめると
外敵からエリアを守る。
次世代を生んで育てる。
で、共同体が継続する。
男性と女性というのは、この役割を体現していたんではないか?
と思うんです。
外敵と戦うという時に、その共同体の女性が死亡してしまったら、その共同体は、存続できない。
出産は、昔、命がけのもので(今では別の意味で命がけになっていますが)、戦闘も命がけのものですから、男女は、上下関係ではなかったかもしれません。
一方、労働の方は、現在でも、農家、漁業、自営業見ればわかりますが、育児 授乳中であっても、働いています。
昔は、食べるのが大変だったはずですから、休んでていいのは病人だけで、子供だって働く。
そこでは、男は力がある。 女は男ほど力がない。 という効率による
役割分担であって、上下ではなかった、かもしれないんですよね。
卑弥呼とか、クレオパトラとか女王もいますし。。
共同体、家の財を守るために、近親と結婚するというのは今でも
あるみたいです。
古事記にも出て来ますが、異母のきょうだいの婚姻は許されても、同母の兄弟の婚姻は罰せられた。
近親相姦を防ぐという社会のしくみは、世界中で古くからあるらしく
「健康な次世代を生んで育てる」というのは、共同体にとって、重要な価値だったと 思うんですよ。 昔はね。
2 戦闘の勝者の論理
外敵から共同体を守ったというのは、共同体全体から感謝賞賛されるはずです。 そういう人がリーダーに選ばれるのは、当然です。
ところが、リーダーになれば、自分の「生存欲求」と「種族保存の欲求」を、共同体の他の構成員よりも、優先するようになる。 すなわち世襲ですね。 ここで、リーダーの血を受け継ぐ子供を生む女性というモノ全体に、縛りがかかるわけです。 息子、娘の場合でも、影響力が及ぶ婿というところで、娘の管理も必要になる。
ここで「家父長権」が生まれる。
その世襲の後継者が、誰もが認める「有能」ならいいのですが
そうでない場合、どうするか?
そこで、「神格化」や、「イメージ作り」が行われるわけです。
奇跡を起こしたとか、庶民と同じように質素だとか。。
これは、男性に限らず、女性が戦闘の勝利者であっても同じで、
持統天皇は、自分の孫に天皇の位を渡すために、まず 姉の息子の
大津皇子を殺し、他の天武系の皇子を、律令外の役職を作って臣下の立場に追い込む。
皇子が生まれると、金鉱が見つかったとか、めでたい文字が甲羅にある亀が見つかったとか、いろいろイメージを作って、後継者にふさわしい人物と思わせたんですね。
しかし、戦闘の勝者というのは、圧倒的に男性ですから、男性の
都合の良いように、ルールが決められるのは、そういうことなんでし ょう。
3 非戦闘員の内訳
戦闘に行かないのは女性だけではありません。
子供、老人、戦闘では役に立たないと思われる男性。
しかし、戦闘に負けたとき、共同体を存続させるために共同体のことがよくわかっていて、なおかつ、父親になれる男性、つまり守りを固める男性というのも、戦闘に行かないですね。
時代劇でも、留守居役とか、籠城のために、有能なナンバー2を残留組にしますよね。
いざ、戦闘で負けたら、「持てるだけの荷物を持って、泣き叫ぶ子供の
手を引いて、女性、老人を引き連れて」 新天地に逃げて、共同体を立て直すための男性です。
外敵でも、内紛でも、武が得意なリーダーと、事務、根回しが得意なナンバー2の組み合わせで勝つことが多いです。
そうでなくとも、戦闘に勝って、ナンバー1がリーダーになり、男性原理ができた時、ナンバー2は、男性なのですから、当然とばかりに家父長権を行使します。
かくして、戦闘もしないのに、家父長権を行使する つまり、代償を払わずに、権利だけを享受する男性ができあがるわけです。
4 ナンバー2的なものの発展
代償を払わずに権利だけを享受する、ナンバー2は、次の戦闘の時には、駆り出されるかもしれませんが、実務を握っているので、死なれたら困るという存在ですから死ななそうな所にいける。 そのうち戦闘なんか強いやつにやってもらえばいい。 になるのは必然です。
ナンバー2は、王に対する官僚であり、神に対する教会ですね。
そういう姿を見てれば、『アレが一番特じゃん!』
と、まねする人間が増えても不思議じゃない。
その実務を預かるナンバー2と一番接触する商人ですね。
ところが、ナンバー1が共同体の大絶賛とかを受けて 強大な権力を持っちゃうと、ナンバー2は、切られちゃう可能性もあるんですよね。
だから、ナンバー2は、ナンバー1に、強い権力を持たせない。
欧州や中国では、王朝が交代しますが、日本では王朝の交代がない
というのは、天皇が、国の主であると、国の住人は思っているが、その権力は、天皇にはなかった、という証明みたいなもんで、交代するのは、ナンバー2なんです。
王政というのは、王が絶対権力があるので、平気で踏み倒し、没収なんてされちゃいます。そういうのはナンバー2は困るわけです。
しかし、共同体の構成員に ナンバー1は偉いと思ってもらえなくては困る。
神格化できて、多くの人がこれはいいものだ と信じてくれるなら人でなくたっていいわけで、 共産主義とか、市場原理主義とかのイズム
ですよね。
後家の時代とは、非戦闘員の男性が、男性原理で動かしている今なんです。
5 なぜ、共同体の存続を考えないのか?
フランスや北欧では、少子化対策が取られて、成果を上げています。
非戦闘員 ナンバー2が、男性原理で動かしている 日本では、どうして 共同体の存続を図る 少子化対策がとられないのでしょうか?
それは、日本を動かしている 「後家さん」達が、元々、欧米コンプレックスから発生しているものだからですね。
薩長は、欧米と戦争して負けてるんです。 それで、明治政府を作って先軍政治で頑張りますが、太平洋戦争で負けますね。
経済で頑張りますが、それも負けますね。
彼らの出世のゴールは、「日本人でなくなること」 「グローバルな人になること」なんで、自分で「自分はグローバルな人間だ」と思ってしまえば、日本は、守るべき共同体じゃないんです。
だから、日本国という共同体の存続なんてどうなったって構わない。
むしろ、移民を入れて、競わせるとともに、「共同体色」を薄くすることを推進する。 共同体意識で、団結して、反抗されることを恐れるからです。
6 治安維持法が戻ってくる意味
同時多発テロみたいに、売国と、戦争と、国内統制が迫っています。
「でも、困るのは、男が母に押さえつけられてしまったら、永遠に子 供なんだよね。」
の文脈は
「でも、困るのは、「国民」が、「後家」に押さえつけられてしまったら
永遠に子供なんだよね」
にも、通じます。
派遣法や、原発事故対応などで、国民は、後家に 疑問を持ち、
反抗して、自立しようとする。
12歳といわれた国民を、いつまでも12歳のままにしておきたかった
後家さんでしょうが、子供だって成長する。
そういう 「子供」を押さえつけて、「子供のままにしておこう」というの が 国家統制の強化ということになります。
必然の流れです。
7 女性原理とはなんなのか?
女性原理というのは、まだ誰も考えてないんじゃないですかね?
働くというのは、男も女もノンセクシュアルであるということで、乳飲み子がいても、女性は働いていた。
それは、家族の人数が多くて、あるいは、出産、産後の間、乳母とか、手伝いの人を雇うという人海作戦だったわけですね。
武家社会の男尊女卑が、明治になって一般にも広がったという話ですけれど、家事が、機械によって楽になった反面、女性が、PTA,町内会、ボランティアという「無償の労働」を担ってきた、ということが
案外、忘れられているような気もします。
男性とまったく同じ権利にしろって、要求しても、男性の方が
会社では、部下(女子供)扱いなわけですから、女性が生きやすくなるわけじゃない。 むしろ、男性、女性一緒に 雇用される方の地位は下落する。
子供を持つ持たないは、個人の自由で、 女性が選択すればいいんですが、子供を持ちたいと思っている女性(別に夫婦、カップルである必要なんかない)が、持てないという状況がある。
母体(母体となる可能性のある女性)を戦士にするよりも、その金にカウントは出来ないが、 共同体(社会)の存続のために欠かせないものとして、 出産をしない周りの人間がサポートするにはどうしたらいいか?って、発想にどうしてならないんだろ?
これは、後家さんという上の問題じゃなくて。。思う。
人間の権利は平等なんだけど、その行動は、石ののような硬いフィフティフィフティじゃなくて、その時、その時で、30対70になったり、90対10なったりする可変で、お互い様っていうのが、なくなっちゃったのかな?
「お父さんが死んだことになっていて、後家さんも、責任は取らない。
だから、みんなが、そうなっても不思議はない」 んでしょうが、それじゃ救いがないですよね。
いつまでも子供じゃいられない。。
御来訪ありがとうございました。