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今回は資料です。
農林金融2012・12
4 日本農業において米は最も重要な作物であり,11年度において857万トン生産し,稲作経営体は117万ある。米は関税化されたが,二次関税率が高いため,米の輸入はミニマムアクセスの枠内にとどまっている。小麦の自給率は11%であるが,北海道,北関東,北九州では重要な作物である。
7 米国主導で進められているTPPの参加国のほとんどは農産物輸出国であり,輸入国である日本とは利害が異なっている。TPPでは関税撤廃が原則であり,重要品目への打撃が極めて大きく,これを直接支払いで補償することは困難である。
②麦類
日本人は麦類から13.4%のカロリーを摂取しており,麦は米と並ぶ重要な穀物である。小麦は9割を輸入に依存しているものの,国内でも75万トンを生産しており,大麦も17万トン生産している。特に小麦は,北関東,北九州などでは水田の裏作として,北海道では輪作作物の一つとして重要な作物であり,日本国内で小麦と大麦の生産を一定程度維持しておく必要がある。
日本人は麦類から13.4%のカロリーを摂取しており,麦は米と並ぶ重要な穀物である。小麦は9割を輸入に依存しているものの,国内でも75万トンを生産しており,大麦も17万トン生産している。特に小麦は,北関東,北九州などでは水田の裏作として,北海道では輪作作物の一つとして重要な作物であり,日本国内で小麦と大麦の生産を一定程度維持しておく必要がある。
(4) ウルグアイラウンド合意に基づく関税化と関税率削減(95~00年)
ウルグアイラウンドにおいて,日本が農業に関して約束(合意)した内容は,以下の通りである(第5,6表)。
②小麦,大麦
・輸入数量制限を廃止し関税化する。
・ アクセス数量分
(注4)
については国家貿易を維持し,輸入差益(マークアップ(注5) )を徴収する。
・ アクセス数量を超えた分の関税率(二次税率)は6年間で15%引き下げる。
・輸入数量制限を廃止し関税化する。
・ アクセス数量分
(注4)
については国家貿易を維持し,輸入差益(マークアップ(注5) )を徴収する。
・ アクセス数量を超えた分の関税率(二次税率)は6年間で15%引き下げる。
(注4 ) ウルグアイ・ラウンドでは,関税化した農産物について最低限のアクセス機会の提供を行うことを合意し,基準期間(1986~88年)の輸入数量が国内消費量に対して,① 5 %以下だったものは,国内消費量の3 ~ 5 %を最低輸入機会(ミニマムアクセス)として提供,② 5 %以上のものは,その現行輸入数量(カレントアクセス)の維持,を約束した。
(注5 ) マークアップとは,輸入を行う国家貿易企業が徴収する輸入差益のことであり,日本では,米・麦については農林水産省,
乳製品については農畜産業振興機構が輸入差益(マークアップ)を徴収し,内外価格差を調整している。
(5) FTA推進路線への転換とドーハラウンド(2000年以降)
FTAはWTOの最恵国待遇原則と矛盾する側面があるため,WTO協定(第24条)では「実質的に全ての関税を撤廃する」ことを条件としているが,一定の範囲内で例外も認められている。そのため,日本はこれまで締結した全てのFTAにおいて重要品目を例外にしており,関税撤廃の比率は
84~88%程度になっている。
逆に言うと,重要品目を例外にできるような国とのみFTAを締結してきたのであり,重要品目を除外できない可能性の高い米国,豪州,ニュージーランドとはFTAを締結していない。しかし,米国や豪州がこれまで締結してきたFTAは自由化率が非常に高く,米国が主導しているTPPでは例外品目がごくわずかになる可能性が高い。
95年に食管法が廃止されて新食糧法が制定されたが,小麦については「新たな麦政策大綱」(98年)に基づき00年産から民間流通に移行して国産麦の政府買入はなくなり,同時に輸入麦に対するマークアップ収入を原資とする麦作経営安定資金が導入され生産者に対して助成金が支払われるようになった。07年度から経営安定対策に移行したが,11年度からは畑作物の所得補償交付金となっている。転作小麦に対しては,10年度は「水田利活用自給力向上事業」として35千円/10aが交付され,11年度からは「水田活用の所得補償交付金」に衣替えされた。
e 輸入制度
(a) 小麦
食管制度の時代には,小麦の輸入は政府(食糧庁)が一元的に行っており,輸入した小麦を製粉企業に一定の価格で売り渡すという方式が続いたが,ウルグアイラウンドの結果,95年度より小麦は関税化され,関税を支払えば誰でも輸入できることとなった。しかし,関税の水準が高く設定されているため(55円/kg),関税を払っての輸入はほとんど行われていない。
食管制度の時代には,小麦の輸入は政府(食糧庁)が一元的に行っており,輸入した小麦を製粉企業に一定の価格で売り渡すという方式が続いたが,ウルグアイラウンドの結果,95年度より小麦は関税化され,関税を支払えば誰でも輸入できることとなった。しかし,関税の水準が高く設定されているため(55円/kg),関税を払っての輸入はほとんど行われていない。
また,カレントアクセス分については国家貿易が維持されたため,基本的には従来と変わらず製粉企業は政府が一元輸入した小麦を購入している。
関税割当枠内の小麦の輸入は無税であるが,政府は一定のマークアップ(上限45.2円/kg,実勢20円/kg)を上乗せして輸入した小麦を製粉企業に売却している。輸入小麦の輸入価格と売渡価格との売買差益は,経営安定対策や戸別所得補償の交付金や政府管理経費に充当されている。ウルグアイラウンド合意上のカレントアクセス数量は,01年度以降574万トンで維持されている
TPPは米国の利害が前面に出ている米国のアジア戦略であり,日本がTPPに入って得られるものは少ない。日本は安易にTPP交渉に参加すべきでなく,21世紀の国際経済秩序の再構築を視野に入れながらアジア諸国との連携を深め,米国に依存しない日本独自の外交戦略を展開すべきであろう。
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麦関連のところだけ引用しましたが、今までの経緯が、米、
砂糖、豚肉、乳製品などについても書かれていますので、ぜひ、ご覧になって見てください。
以前引用した製粉振興会で、わかりやすく図にしたものがありましたので引用させていただきました。
↓
(財)製粉振興会ホームページ
小麦・小麦粉の生産・加工などの流れ
●小麦の流通経路
![](http://www.seifun.or.jp/2004422.gif)
注 生産者から委託を受けた者 が、実質は原則として県経済連又は全農県本部及び県集連 という風に売り手、買い手 輸入業者など
参加者が、決まっている状態でしたよね。
![](http://www.seifun.or.jp/2007_8_1.gif)
小麦粉の流通は、米と少し違った形態をとっています。これは、小麦粉のほとんどが最終商品としてではなく、パン、めんなどの小麦粉加工品の原料として使用されるためです。直接家庭で消費される小麦粉の量は、全体の3%程度です。
家庭で直接消費される小麦粉は、ふつう500gグラムか1キログラム詰めの小さい袋に入れられていますので、「小袋」ともいわれます。これに対して、小麦粉加工業者が業務用として使用する小麦粉は、25キログラムの紙袋詰めと、大口需要者向けのタンクローリー車によるバラ輸送があり、近年はバラ輸送が多くなっています。
同じ小麦粉でも、業務用と家庭用では、流通形態が異なります。
家庭で直接消費される小麦粉は、ふつう500gグラムか1キログラム詰めの小さい袋に入れられていますので、「小袋」ともいわれます。これに対して、小麦粉加工業者が業務用として使用する小麦粉は、25キログラムの紙袋詰めと、大口需要者向けのタンクローリー車によるバラ輸送があり、近年はバラ輸送が多くなっています。
同じ小麦粉でも、業務用と家庭用では、流通形態が異なります。
◎小麦粉の流通経路
![]()
![](http://www.seifun.or.jp/200441111.gif)
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この後に、生産量等の表がでているんですが、国内生産量は不安定ですが、わずかに増えていました。
ところが、輸入量は、年々、増大しています。
何か、おかしい?
ウルグアイラウンドを受けてできた法案です。
麦のところを抜きましたが、「全国を通じて一個に限り、米穀安定供給確保支援機構」をつくり 米穀価格形成センターを作るという焼け太り法案だったことがわかりました。
↓
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律
(平成六年十二月十四日法律第百十三号)
(平成六年十二月十四日法律第百十三号)
最終改正:平成二三年六月二四日法律第七四号
麦等の輸入を目的とする買入れ及び当該麦の売渡し)
第四十二条 政府は、麦等(麦その他政令で定めるもの及びこれらを加工し、又は調製したものであって政令で定めるものをいう。第五項及び次条から第四十五条までにおいて同じ。)の輸入を目的とする買入れを行うことができる。
2 政府は、前項の輸入を目的とする買入れに係る麦を、随意契約により売り渡すものとする。ただし、農林水産大臣が随意契約によることを不適当と認める場合には、入札の方法による一般競争契約又は指名競争契約のうち農林水産大臣が選択する競争契約により売り渡すものとする。
3,4は(中略)
5 第三十条第二項の規定は、第一項の麦等の買入れについて準用する。
注
(輸入に係る麦等の特別な方式による買入れ及び売渡し)
第三十条 政府は、米穀等(米穀及び米穀を加工し、又は調製したもの であって政令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)の輸入を 目的とする買入れを行い、及び買受資格者に対し当該米穀の売渡しを 行うことができる。
2 政府は、必要があると認める場合には、前項の米穀等の買入れを 他に委託することができる。
2 政府は、前項の規定により買い入れた麦等を同項の買受けの申込みを行った者に対し、当該申込みに応じて売り渡すものとする。
3 第一項の規定により買い入れた麦等を前項の規定により売り渡す場合の価格は、国際約束に従って農林水産大臣が定めて告示する額を、当該麦等の買入れの価格に加えて得た額を超えてはならない。
4 第一項の規定による麦の買入れ及び第二項の規定による当該麦の売渡しは、麦の適切な供給を図るため、需給見通しに即して行うものとする。
第四十四条 第三十二条の規定は麦等の売渡しについて、第三十三条の規定は麦の売渡しについて準用する。この場合において、同条第一項中「第二十九条から前条まで」とあるのは、「前条、第四十二条及び第四十三条」と読み替えるものとする。
第四十五条 麦等の輸入を行おうとする者は、国際約束に従って農林水産大臣が定めて告示する額に、当該輸入に係る麦等の数量を乗じて得た額を、政府に納付しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 第四十二条第五項において準用する第三十条第二項の規定による政府の委託を受けて輸入する場合
二 第四十三条の規定による連名による申込みに応じて行う政府の買入れ及び売渡しに係る麦等を輸入する場合
三 国内の需給及び価格の安定に悪影響を及ぼすおそれのないものとして政令で定める麦等を輸入する場合
2 第三十四条第二項及び第三項の規定は、前項の納付金について準用する。
秘密保持義務に関する経過措置)
第四条 第一条の規定による改正前の主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(以下「旧食糧法」という。)第四十八条第一項に規定するセンターの役員又は職員であった者に係る旧食糧法第四十九条第一号に掲げる業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない義務については、この法律の施行後も、なお従前の例による
旧食糧法が、見つからない。。
法文はいつも難しいです。。(涙)